Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「兄貴の前だが、おれは一旦ものにしかけた女を、そのままにしておくのはいやだ」
「おやおや、お前はまだそんなことを言ってるのか、男らしくもねえ、まだ未練が残っていたのかい」
「未練というわけじゃあねえが、おれもあの女ゆえにこの腕を一本なくして、生れもつかねえ片輪にされちまったんだ、身から出た錆だと言えばそれまでだが、どうもこのままじゃあ済まされねえ」
「済まされなけりゃあどうするつもりだ、腕一本で済んだのが見つけもので、すんでに命のねえところを助かったんだ、よけいなチョッカイを出したおつりと思えば腕一本は安いもんだと諦めていたくせに、今になって済まされねえとはどうするつもりだ」
「兄貴、あきらめというのは見ず聞かずの上のことだ、ツイ目と鼻の先にいて、こんな悪戯をされた日にゃあ、どうもがんりきも眼がつぶり切れねえ」
「存外、手前も男がケチだ、向うはちょっと調戯っただけの御挨拶で、女というやつは、ああもしてみないとバツが悪いんだ。可愛いくらいのもんじゃねえか」
「そこが兄貴と俺との性根が違うところなんだ、ケチな野郎ならケチな野郎でいいから、俺は俺の思うようにしてみてえ」