Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
小仏の宿から峠まで二十六丁。
「しかしあの女は愚かな女じゃ、駒木野を越えたからとて、まだこの先に上野原の関所もあれば、駒飼の関所もある、関所よりもなお難渋な、小仏峠というものもあれば笹子峠というものもある、これを知ってか知らずか、女一人で甲府まで乗り込もうというのは、大胆と言おうか、愚かと言おうか」
これを話のはじめに、与力同心のなかでいろいろの話が持ち上りました。
「いや、あれは真実、亭主の病気を思うて出かけて来たのかどうかわからんが、とにかく何か思い込んで来たような女である、あんなのが何か思い込むと大胆なことをするものじゃ」
「左様、女軽業の元締とか言いおったが、彫物の一つもありそうな女じゃ、しかし悪党ではないらしい」
「悪党ではあるまいが、悪党に変化しそうな女である、あれが悪党になると鬼神のお松といった形で、この峠の上などに住みたがる」
「いや、そういうことはあるまい、あんなのはまかり間違って亭主を剃刀で切るとか、胸倉を掴んでギュウと締めるといった程度で、それ以上のだいそれたことはできまい。むしろ平常は内気でおとなしく、口も碌に利かないような女が、時とすると大胆なことをする」