Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
引き上げてみると、もう真蒼になって息が絶えている模様でしたから、薬をくれたり水をやったりして介抱すると幸いに息を吹き返しました。
「これ、気を確かに持て」
「有難うございます」
「其方は何者だ、どうして斯様な目に遭ったのだ」
「どうも相済みません、なあに、ちっとばかりこっちの悪戯が過ぎたから、それでこんな目に遭ったんでございます、打捨っておいて下さいまし」
「斯様な惨酷なことを致すものを打捨ててはおけぬ、聞けば鳥沢の粂とやらいう悪者の仕業じゃそうな。うむ、その粂という者はどこにいる」
「なあに、鳥沢の親分がやったんじゃあございません、俺が慰みにやってみたんでございます」
「さてさて、貴様はわからぬ奴じゃ、包まず申せ、貴様のために仇を取ってやる」
「なあに、仇なんぞは取っていただかなくってもよろしうございます、おかげさまで地獄から呼び戻されたのが何よりで、それでもう充分でございます」
「貴様はその粂とやらいう悪漢を怖れて包み隠すと見えるな、我々が聞いた以上はいかなる悪漢なりとても、後の祟りは少しも心配はないのじゃ」
「どう致しまして、たとえ粂であろうとも、鬼であろうとも、後の祟りを怖がってそれで包み隠すというようなわけじゃございません、どうか打捨ってお置きなすって下さいまし」