Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
がんりきがお絹の傍へ寄った時、
「な、何をするの」
お絹は生きていました。自分の咽喉へかけようとしたがんりきの手を、夢中で振り払うと、
「おや」
がんりきも驚いたが、その途端にフラフラとまたしても岩を辷ると、あわててその片手にお絹の着物の裾を掴む。裾を掴んだけれども、辷る勢いが強くてお絹もろともに釣瓶落しに谷底へ落っこちます。
九
その翌朝、駒井能登守の一行は例によってこの本陣を出立しました。お絹、お松、米友の一行は、それに従って行く様子がありません。
昨夜、七兵衛はお松にことわって誰にも言うなと言ったにかかわらず、お松はそれを黙っているわけにはゆかないから、与力同心を相手に気焔を揚げていた米友を呼んで話しました。それから騒ぎが大きくなって、居合わすもの総出の勢で、山狩りをして峠の方へ狩り立てて行くうちに、尋ねるお絹が半死半生の体で谷間から這い出して来ました。
ともかくも、お絹が逃げて来たことによって、一同も安心して宿へ引取ったが、お絹は一切のことを語りません。それ故に誰もその事情を知るものがなく、或いは山の天狗に浚われたのではないかと思っています。