Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
幸内の平伏している傍にはその持って来た長い箱が萌黄の風呂敷に包んで置かれてあります。
「おお、幸内、よく見えた、御列席の方々も其方の来るのを待兼ねじゃ」
「遅れましてなんとも申しわけがござりませぬ」
「遠慮致さず、これへ出るがよい」
「左様ならば御免下されませ」
幸内は恐る恐る出て来ました。
「おのおの方」
と言って、神尾主膳は一同の方に向き直りながら、
「ここに見えたのは、これはおのおの方も御存じのことと思わるるが、有野村の伊太夫の家の雇人じゃ、あの馬大尽の雇人であるが、民家の雇人に似合わず感心なもので、剣術がなかなか達者である、村方でも稽古をし、この城下の町道場へもおりおり通う、いたって手筋がよろしい、お見知り置き下されたい」
と言って紹介しました。幸内は、こんなお歴々の方の中へ剣術が達者だの手筋がよいのと吹聴されたから、さすがに面を赭くしてしまって、
「恐れ入りましてござりまする」
平伏してやっぱり頭が上りません。
「そのように恐れ入らんでもよい、実は今日は其方を上客にしたいくらい。いつもは伊太夫の雇人であるが、今日は位がついて来たのじゃ。例の品は持って参ったことであろうな」