Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
その当時暫らくは辻斬の噂がありませんでした。岡村はまだなんとも報告を齎さなかったけれど、こうして岡村が警戒するために、辻斬もそれを憚って当分遠慮をしているのではないかと、小林師範役は心の中で岡村を頼もしがって、そのうち何か面白い報告を齎すだろうと楽しみにしていました。
ところが、それから六日目の朝っぱら、小林師範役がまだ床を離れたばかりの時分に、あわただしく一人の門弟が、
「先生、先生、先生、大変でござりまする、大変」
小林はその慌しさに驚かされました。
「先生、先生、また辻斬がございました、また辻斬が……斬られたのは岡村氏でございます、岡村氏が松蔭御門の跡で袈裟に斬られて死んでおりまする」
「ナニ、岡村が?……」
小林文吾も仰天しないわけにはゆきません。押取刀でその場へ駈けつけて見ると、岡村は左の肩から右の肋を斜めに断たれて、二つになって無残の最期。
小林文吾はあまりのことに、暫らく口も利けないくらいでありました。
七
その晩、一間のうちでしきりに刀を拭うているのは机竜之助であります。
竜之助は盲目になっているけれども、その一間には丸い朱塗の行燈が立てられて、燈火がぼんやりと光っています。