Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
しかしながら、机竜之助の両眼が暗くて、その人の何者であるやを見て取ることができないにしても、たとえささやかながら行燈の火がある以上は、面も着物も真黒になってはいるけれど、見知った者には間違いなく、それは馬大尽の雇人の幸内であるということがわかるのであります。
これは馬大尽の家の幸内でありました。伯耆の安綱の刀を持って出て行方知れずになった幸内が、今ここにこんな目にあわされていることを誰が知ろう。幸内はそれを今、神か仏か知らないけれども居合せた机竜之助に向って訴えようとするものらしいが、どうしても口が利けないらしい。
「神尾殿が来てなんとかするまで、もとのところで窮命しておれよ」
竜之助は、やはり片手でさぐって、のたり廻る幸内の襟髪を無造作に掴んで、部屋の隅へ突き飛ばしてしまいました。
幸内を振り飛ばした机竜之助は、やがて手柄山正繁の一刀を腰に差して立ち上りました。
振り飛ばされた幸内は、長持の隅のところへ投げ倒されたなりで、今度は動くことをしませんでした。そうしておいて竜之助は、懐中から宗十郎頭巾を出して冠りました。頭巾を冠ってしまってから、座敷の隅をさぐるとそこに杖が立てかけてありました。