Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

女はそれきり追いもしないで、

「ホホホ、小柄で華奢で、そうして歩よのお上手な旦那、またいらっしゃいよ」

友造の逃げっぷりを立って見て笑っていました。息せききって逃げて来た友造、

「ばかにしやがら、女でなければ、打ちのめしてくれるんだが」

ようやくにして長者町の奉公先へ帰った友造は、御主人の居間へ行って見ましたが、どこへか出て行ったらしく、暫らく待ってみても帰る様子がないから、自分の部屋へ帰って一息ついている間に、疲れが出て、ついうとうとと寝込んでしまいました。翌朝になって、忠作の前へ呼び出された友造が、

「困ったなア」

「馬鹿」

忠作のために頭ごなしに叱られました。

「だから財布は、首へ掛けなくちゃならんと言っておいたじゃないか、グルグル捲きにして懐中へ突っ込んでおくから、こんなことになるんだ」

「エエと、柳原の土手だ、たしかにあの時に落したに違えねえ」

「柳原の土手でどうしたんだ」

「あの土手で女の追剥が出やがったから、そいつを追払って逃げた時」

「馬鹿、女の追剥というやつがあるか」

忠作は苦りきって、

「ありゃ夜鷹というものだ」

「なるほど」

「何がなるほどだ、その夜鷹に捲き上げられたんだろう」