Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「どこへ行ったんだい、もう晩いよ」
と米友は咎立てをするような口ぶりであります。
「ナニ、部屋からの帰りなんだ」
と仲間体の男はなにげなき体で返事をして、お茶を飲んでしまうと懐中から叺を取り出して、炭火で火をつけて鉈豆でスパスパとやり出しました。
「兄い、不寝番かい、御苦労だな」
と言いました。
「ははは、不寝番だよ、今夜はでえだらぼっちが来るというから、それで寝られねえんだよ」
「ははあ、なるほど」
と言って仲間体の男は頷きました。
「でえだらぼっちがこの八幡様へ喧嘩をしかけに来るんだそうだ、それで八幡様のお庭を明るくしておけと神主様の言いつけだ、だからこうして不寝番をして、時々燈籠へ油を差して歩くんだ」
米友はワザワザ申しわけのように言っていると、
「なるほど、それは御苦労さまだ、油を差すのはいいが、油を売っちゃいけねえよ」
「ばかにしてやがら、油なんぞを売るものか」
「それでも今、コクリコクリとやっていたじゃあねえか、あんなときにでえだらぼっちがやって来たらどうする」
「そりゃあ、コクリコクリやっていたって、了簡は眠っちゃあいねえんだ、眼は眠っても心は眠らねえから、誰がどこへ来たということもちゃんとわかる」