Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「それ、それだ」

「そんなら御心配なさいますな、ちゃあんとわたしが預かってありますから」

「あ、そうか、それはよかった」

米友はホッと安心の胸を撫で下ろすのを、女は笑って、

「意気地のない人だねえ、女を見て、あんなに逃げなくってもいいじゃないか」

「うむ」

「お前さんの逃げっぷりがあんまりおかしいから、あとを暫く見送っていましたのよ、そうすると、足許に落ちていたのが財布、手に取って見た時分には、もうお前さんの姿が見えなかったから、少しばかり追いかけてみたけれど、どちらへおいでなすったか分らなかったから預かっておきました」

「有難う、あれは俺らの金じゃないんだ、主人の金なんだから」

「念のために、わたしは中をよく調べておきました、そうしてすぐにお係りへ届けようと思ったけれど、そうすると面倒になるし、仲間の者に見せれば、すぐに使われてしまいますから、見てごらんなさい、こんな細工をしましたのよ、わたしの頭の上の仕掛を」

女は御幣のような白い紙の片がひらひらしている頭を、米友の前へ突き出して、

「お前さん、この白い紙を取って頂戴、お前さんに取らせようと思って、わたしがワザワザこんなことをしたんだから。