Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「今度は、例の印度人の槍使いだな」
問題の印度人、書入れの芸当。長い浮世に短い命、二度とふたたびは日本の土地で見られないと口上が言った。前にも後にも初めての舶来、看板でおどかし、呼込みで景気をつけ、次に中入り前に、ワザワザ時間を置いて勿体をつけて、また改めて口上言いが出て、
「さて皆々様、これよりお待兼ねの印度人槍使いの芸当……」
前のに尾鰭をつけて長々と、槍使い一代の履歴を述べ、さんざん能書を並べて見物に気を持たせておいて、口上が引込むと拍子木カチカチと、東口から現れたのがその印度人であります。
「なるほど、こりゃ黒ん坊だ、看板に偽りは無え」
見物はその異様な風采でまず大満足の意を表します。なるほど背四尺一寸と看板に書いてあった通り。手に持った槍、柄は真赤に塗ってあって、尖が菱のようになっている、それも看板と間違いはない。身体は漆のように黒く、眼ばかり光って、唇が拵えたように厚く、唇の色が塗ったように朱い、頭の毛は散切で縮れている、腰の周囲には更紗のような巾を巻いている、首には例の国王殿下から賜わったという金銀のメタルが輪になって輝いている、それもこれもみんな看板と同じこと。