Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
一蓮寺の境内を通りかかって見ると、どうでしょう、昨日あれほど賑うた見世物小屋のあたりは、すっかり焼けてしまって、祭礼も臨時休業のような姿で、焼跡のまわりには、消口を取った仕事師の連中が立ち働いている有様を見て、昨夜の火事はこんな大きなことになったのかなと、舌を捲きながら通り過ぎてしまいました。それから荒川の土手のところを歩いて行くと、土手の上の雑草が踏み躪られて、血痕があちらこちらに飛んでいます。
兵馬は、それがまさしく人間の血であるらしいから少しく驚かされました。人間の血であってみると、四辺の草木の荒された模様から見て、よほどの人数が入り乱れて争ったものとしか見えません。祭礼で気が立ったあまり、ここで血気の連中が大格闘をやったものだろうと、兵馬は心の中で推察しました。
これは昨夜の折助の狼藉と女軽業の美人連の遭難、その血の痕というのはムク犬の勇猛なる働きの名残であることは申すまでもありませんが、その風聞は兵馬の耳へはまだ入っていませんでした。
その土手のところも通り過ぎ、竜王村というところへ出ようとする広い畑の中道で、
「頼むよう、助けてくれ!」