Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

囃の稽古を聞いても、こんなことを言い出すものがありました。

「一生苦しんでも出来ぬ奴は出来ん……と言って一心を籠めて精を出せば僅かの間にも上達する。拙者はこのごろ、ふと或る人の話を聞いた、歳は僅かに十七、我々とそう違わぬけれど、この甲府城の内外には及ぶものはなかろうとの剣術の達者があるという話を聞いた」

彼等少年軍の多くは足駄を穿いておりました。凍てついた大地をその足駄穿きで、カランコロンと蹴りながら歩いていました。

「そんな人がどこにいる」

前へ進んだのが後ろを振返りました。振返ったけれど、やはりおたがいの姿は見えないのです。

「この甲府にいるにはいる」

「ナニ、左様な人が甲府にいると? それならば教えを受けたいものだ、ぜひ」

やはり前へ進んでいた剣術の道具を荷ったのが踏み止まりました。

「甲府にいるにはいるけれど、居所が変っているから、お紹介をするわけにはゆかんのじゃ」

「居所が変っていると? およそこの甲府の附近であったなら、どこでも苦しくない、行って教えを受けようじゃないか」

「それは我々には行けないところ、先方もまた我々に来られないところだから仕方がない」