Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
「おや」
振返ってみるとその打掛の裾は、廊下の下にいる何者かの手によって押えられているのでありました。
「君ちゃん」
「まあ、誰かと思ったら米友さん」
お君の打掛の裾を廊下の下から押えたのは、背の低い米友でありました。
「米友さん、悪戯をしては困るじゃないか」
「なにも悪戯をしやしねえ」
「だって、そんなところで押えていては」
「用があるからだ」
「何の用なの」
「君ちゃん、いまお前は、ここの梅の枝を一枝折ったね、その枝を俺らにおくれ」
「これかい、この梅の枝を友さん、お前が欲しいのかい」
「うむ」
「そうして、どうするの」
「どうしたっていいじゃねえか、欲しいから欲しいんだ」
「欲しければお前、こんな花なんか、わたしに強請らなくても、いくらもお前の手で取ればいいじゃないか」
「そんなことを言わずに、それを俺らにおくれ」
「これはいけないよ」
「どうして」
「これは殿様に上げるんだから」
「殿様に?」
と言って米友は強い目つきでお君を見ました。
「これは、わたしから殿様へ差上げる花なんだから、友さん、お前ほしいなら別に好きなのを取ったらいいだろう、ほら、まだ、あっちにもこっちにもいくらも咲いているじゃないか」