Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
よってこのたびの流鏑馬の催しに、功名をわが手に納めんとの下心より、一層、当家に対して、腹黒き計略が歴々と見え透くようでござりまする。それ故に、このたびのお人定めは疎略に相成りませぬ、万一のことがありますれば、お家の恥辱、また神尾主膳がこの上の増長、計りがたなく存じまする」
家来たちは心からこのことを憂いているのであり、また憂うることに道理もあるのでありましたが、能登守はそれを知ってか知らずにか、
「そりゃそのほうたちが思い過ごし、このたびの催しは、寸功を争うためにあらずして、国の兵馬を強くせんがため……しかし、其方たちの申すことも疎略には思わぬ、追ってよき人を見立てて沙汰を致そう」
「仰せながら、もはや余日もいくらもごりませぬ、一日も早く御沙汰を下し置かれませぬと。本人の稽古と準備のために……」
「その辺も心得ている、それ故、家中一同にその用心を怠らず、いつ沙汰をしても驚かぬようにしているが肝腎」
能登守自身も必ずや、このことを考えていないはずはない。事は些細ながら、家の面目と責任というようなことへ延いて行くことも考えていないはずはないでしょう。
この時分、神尾主膳の屋敷では、このごろ召抱えた信州浪人の小森というのが、主人の御馳走を受けながら、しきりに用人たちを相手に気焔を吐いていました。