Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
小森の年配は四十ぐらい、名は小森だが実は大きな男でありました。
「拙者の流儀は、信濃の国の住人諏訪大夫盛澄から出でたもので……この盛澄は俵藤太秀郷の秘訣を伝えたものでござる」
と言って得意げに語るところを見れば、騎射に相当の覚えのあるものであることに疑いないらしい。
「このねらい方というやつが……人によってはこれを鏃からねらうものもある、また左からねらうものもあるけれど、これはいずれもよくないこと」
小森は柱に立てかけてあった塗弓を手に取りながら、ねらい方のしかたばなしをはじめました。
「一途にこうして鏃ばかりでねらうと、鏃の当はよくても、桿の通りが碌でもないことになると、矢の出様が真直ぐにいかない。また弓の左からねらうと、矢というものはもとより右の方にあるものだから、鏃が目に見えなくなる。それで的の見透しが明瞭とせぬ故、遠近の見定めがつかぬ……その故にねらいの本式はまず弓を引き分くる時に的を見、さて弓を引込めたる時、目尻でこう桿から鏃をみわたし、それから的を見透すというと、これは大、これは小、これは東、これは西ということが明瞭とわかるのでござる」
と言いながら小森は、中黒の矢を一筋とって弓に番えて、ねらいの形をして見せました。