Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
ドアをひらくと、そこに、みょうな男が立っていました。まっ黒な背広を着て、まっ黒なとりうち帽をかぶり、へんに青白い顔をした、ぶきみな男です。
「どなたですか。」
マユミさんが、うたがわしそうに、たずねますと、その男は、
「こちらの助手の小林君から、たのまれたのです。至急、お知らせしたいことがあるのです。」
といって、はいれともいわないのに、つかつかと、部屋の中へはいってきました。
マユミさんは、しかたがないので、男にいすにかけるようにすすめ、じぶんも、もとの長いすに腰かけました。
「小林さんは、いま、どこにいるのでしょうか。」
「世田谷の杉本という金持ちのうちの庭にいますよ。」
男が、なんだか、あざ笑っているような声で答えました。
それにしても、この男は、なんというへんな顔をしているのでしょう。生きた人間の顔とは思われません。お面のようです。しかしお面ならば、目も口も動かないはずですが、この男の顔は、ものをいうたびに動くのです。まばたきもしています。それでいてお面の感じなのです。どうしても人間の顔ではないのです。それに、この男は、いすにかけても、黒いとりうち帽をとろうともしません。