Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

にせ警官は、石段に立っている警官に、かた手をあげてあいさつすると、そのまま玄関のなかへはいっていきます。

ほんものの警官は、すこしもあやしまず、おなじように手をあげてあいさつをかえしました。

警視庁へは、一日に何千という警官が出入りするのですから、みんながおなじみというわけではありません。制服さえ着ていれば、じぶんたちのなかまだと思うのもむりはないのです。

にせ警官は、大かばんをさげていましたが、犯罪事件の証拠品として、そういうものを持ってくる警官はよくあるのですから、これもうたがわれる心配はありません。にせ警官のすがたが玄関の中へ見えなくなってしまったとき、ポケット小僧は、大いそぎで石段をかけあがり、そこに立っている警官によびかけました。

「おまわりさん、いまのやつをつかまえて。大きなかばんをさげていたやつだよ。あれは四十面相だよ。おれ、あいつが変装するところを見ちゃったんだ。はやくあいつをつかまえなけりゃ……。」

警官はびっくりしてこちらを見ましたが、きたないふうをした浮浪児のような子どもなので、手をふりながら、あっちへいけというあいずをするばかりで、いっこうとりあってくれません。