Japanische Klassiker mit Furigana
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ようかいはかせ
妖怪博士/青銅の魔人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 212.920 Zeichen · 421 Bildschirme
先に立って逃げたわけではありません。懐中電灯が先頭になくては、道がわからないからです。この声に、立ちすくんでいた少年たちも、ハッと正気づいたように、われおくれじとかけだしました。いちばんあとから走っているのは、力じまんの桂君ですが、いくら相撲の選手でも、この怪物にはかないっこありません。ゴロゴロとのどを鳴らすようなうなり声が、今にも背中にせまってきそうで、走りながらも気が気ではありませんでした。先頭の小林君は、団員たちが逃げおくれやしないかと、うしろをふりむきふりむき走っていましたが、さいぜんの深いほら穴のあたりまで来ますと、ハッとして立ちどまってしまいました。もう少しで、その井戸のような穴の中へ、すべり落ちるところだったのです。
ああ、なんということでしょう。さっきまで、そのほら穴の上にかかっていた板の橋が影も形も見えなくなっているのです。橋がなくては、もうこの道を進むことができません。井戸のようなほら穴は道いっぱいにひろがっていて、どこにも通る場所がないからです。といって、とびこせるような小さな穴ではありません。
やっぱり、この鍾乳洞の中には、少年たちに敵意を持つ人間がかくれているのにちがいありません。