Japanische Klassiker mit Furigana
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ようかいはかせ
妖怪博士/青銅の魔人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 212.920 Zeichen · 421 Bildschirme
「これ、泰ちゃん、泰ちゃんたら!」おかあさまは、パジャマのそでをつかんで、ひきとめようとなさいましたが、泰二君はそれをはげしい勢いではらいのけると、ヒョイとふりかえって、ゾッとするほどおそろしい顔で、おかあさまをにらみつけました。
おかあさまは、それをごらんになると、わが子ながら、その形相のおそろしさに、思わず立ちすくんでおしまいになりました。なんだかいつもの泰二君と、まったくちがった人のように見えたからです。ひょっとしたら、催眠術をかけている蛭田博士の魂が、泰二君に乗りうつって、顔までもあのぶきみな蛭田博士と、そっくりになっていたのかもしれません。
あまりのおそろしさ悲しさに、おかあさまがためらっていらっしゃるあいだに、泰二君は廊下の窓に近づくと、手早く掛け金をはずして、ガラス窓をひらき、アッと思うまに、外の暗やみへとびだしていってしまいました。それは、人間わざとは思われぬほどのす早さでした。一ぴきの大きな大きなコウモリが、サッと目をかすめてとんでいったような、なんともいえぬものおそろしい感じでした。
おかあさまは、そのままたおれてしまうほどの、はげしい胸さわぎをじっとこらえて、ヨロヨロと窓に近づき、まっくらな広い庭を、すかすようにして、のぞいてごらんになりました。