Japanische Klassiker mit Furigana
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ようかいはかせ
妖怪博士/青銅の魔人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 212.920 Zeichen · 421 Bildschirme
姿ばかりではありません。その人物は、またじつにおそろしい顔を持っています。何年まえにかったともわからぬ、ぼうぼうとした髪の毛、二ひきの毛虫がはっているような、ねじれまがった太いまゆ、その下にギョロリと光る目、上くちびるがめくれあがったようになって、いつもむきだしになっているひどいそっ歯、ほおからあごにかけてのうすぎたない無精ひげ、見るからにゾッとするような顔つきです。
それが、何十年まえに流行したかと思われるような、おそろしく古びた黒の背広を着て、背中をまげて、みょうにまがりくねった木の枝のステッキを力に、ヨチヨチとはいってくるさまは、これで探偵の仕事ができるのかしらと、うたがわれるほどでした。
「わたし、相川ですが、あなたが、殿村さんですか。」技師長は、あっけにとられて、名刺と相手の顔を見くらべながら、たずねました。
「そうです。わしが私立探偵、殿村弘三です。さっそくですが、相川さん、あなたはお子さんの命をおしいとは思いませんか。会社の重要書類を一刻も早く、取りもどしたいとはお思いなさらぬのかな。」
殿村は無作法に、そこのイスへ、ヨッコラショと腰をかけ、ステッキを前に立てて、その上にあごをのせるようにして、ジロジロと技師長を見あげるのでした。