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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

同時にすべての責任が自分の今突いている竹の洋杖にあるような気がした。彼は例のごとく蛇の頭を握って、寒さに対する欝憤を晴らすごとくに、二三度それを烈しく振った。その時待ち佗びた人の影法師が揃って洋食店の門口を出た。敬太郎は何より先に女の細長い頸を包む白い襟巻に眼をつけた。二人はすぐと大通りへ出て、敬太郎の向う側を、先刻とは反対の方角に、元来た道へ引き返しにかかった。敬太郎も猶予なく向うへ渡った。彼らは緩い歩調で、賑やかに飾った店先を軒ごとに覗くように足を運ばした。後から跟いて行く敬太郎は是非共二人に釣り合った歩き方をしなければならないので、その遅過ぎるのがだいぶ苦になった。男は香の高い葉巻を銜えて、行く行く夜の中へ微かな色を立てる煙を吐いた。それが風の具合で後から従がう敬太郎の鼻を時々快ろよく侵した。彼はその香いを嗅ぎ嗅ぎ鈍い足並を我慢して実直にその跡を踏んだ。男は背が高いので後から見ると、ちょっと西洋人のように思われた。それには彼の吹かしている強い葉巻が多少錯覚を助けた。すると聯想がたちまち伴侶の方に移って、女が旦那から買って貰った革の手袋を穿めている洋妾のように思われた。