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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

八

やった後で考えると、みんな面白いし、またみんなつまらないし、自分じゃちょっと見分がつかないんだが。――全体愉快ってえのは、その、女気のある方を指すんですか」

「そう云う訳でもないんですが、あったって差支ありません」

「なんて、実はそっちの方が聞きたいんでしょう。――しかし雑談抜きでね、田川さん。面白い面白くないはさておいて、あれほど呑気な生活は世界にまたとなかろうという奴をやった覚があるんですよ。そいつを一つ話しましょうか、御茶受の代りに」

敬太郎は一も二もなく所望した。森本は「じゃあちょっと小便をして来る」と云って立ちかけたが、「その代り断わっておくが女気はありませんよ。女気どころか、第一人間の気がないんだもの」と念を押して廊下の外へ出て行った。敬太郎は一種の好奇心を抱いて、彼の帰るのを待ち受けた。

八

ところが五分待っても十分待っても冒険家は容易に顔を現わさなかった。敬太郎はとうとうじっと我慢しきれなくなって、自分で下へ降りて用場を探して見ると、森本の影も形も見えない。念のためまた階段を上って、彼の部屋の前まで来ると、障子を五六寸明け放したまま、真中に手枕をしてごろりと向うむきに転がっているものがすなわち彼であった。