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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

不愉快な上に、年寄にすまないという苦痛をもう一つ重ねた。

前後の模様から推すだけで、実際には事実となって現われて来なかったから何とも云い兼ねるが、叔母はこの場合を利用して、もし縁があったら千代子を高木にやるつもりでいるぐらいの打明話を、僕ら母子に向って、相談とも宣告とも片づかない形式の下に、する気だったかも知れない。すべてに気がつく癖に、こうなるとかえって僕よりも迂遠い母はどうだか、僕はその場で叔母の口から、僕と千代子と永久に手を別つべき談判の第一節を予期していたのである。幸か不幸か、叔母がまだ何も云い出さないうちに、姉妹は浜から広い麦藁帽の縁をひらひらさして帰って来た。僕が僕の占いの的中しなかったのを、母のために喜こんだのは事実である。同時に同じ出来事が僕を焦躁しがらせたのも嘘ではない。

夕方になって、僕は姉妹と共に東京から来るはずの叔父を停車場に迎えるべく母に命ぜられて家を出た。彼らは揃の浴衣を着て白い足袋を穿いていた。それを後から見送った彼らの母の眼に彼らがいかなる誇として映じたろう。千代子と並んで歩く僕の姿がまた僕の母には画として普通以上にどんなに価が高かったろう。