Japanische Klassiker mit Furigana
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme
取り澄ました警句を用いると、彼らは離れるために合い、合うために離れると云った風の気の毒な一対を形づくっている。こう云って君に解るかどうか知らないが、彼らが夫婦になると、不幸を醸す目的で夫婦になったと同様の結果に陥いるし、また夫婦にならないと不幸を続ける精神で夫婦にならないのと択ぶところのない不満足を感ずるのである。だから二人の運命はただ成行に任せて、自然の手で直接に発展させて貰うのが一番上策だと思う。君だの僕だのが何のかのと要らぬ世話を焼くのはかえって当人達のために好くあるまい。僕は知っての通り、市蔵から見ても千代子から見ても他人ではない。ことに須永の姉からは、二人の身分について今まで頼まれたり相談を受けたりした例は何度もある。けれども天の手際で旨く行かないものを、どうして僕の力で纏める事ができよう。つまり姉は無理な夢を自分一人で見ているのである。
須永の姉も田口の姉も、僕と市蔵の性質が余りよく似ているので驚ろいている。僕自身もどうしてこんな変り者が親類に二人揃ってできたのだろうかと考えては不思議に思う。須永の姉の料簡では、市蔵の今日は全く僕の感化を受けた結果に過ぎないと見ているらしい。