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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

お庄は瓶を抱えたまま、暗い片陰にしばらくたたずんでいた。

お庄は振りのような手容をして、ふいとそこを飛び出すと、きまり悪そうに四下を見廻して、酒屋の店へ入って行った。

急いで家へ帰って来ると、父親はランプの下で、苦い顔をして酒の燗をしていた。子供たちは餉台の周りに居並んで、てんでんに食べ物を猟っていた。

母親は手元の薄暗い流し元にしゃがみ込んで、ゴシゴシ米を精いでいた。水をしたむ間、ぶすぶす愚痴を零している声が奥の方へも聞えた。お庄はまた母親のお株が始まったのだと思った。父親はそのたんびにいらいらするような顔に青筋を立てた。

母親が襷をはずして、火鉢の傍へ寄って来る時分には、父親はもうさんざん酔ってそこに横たわっていた。お庄は、気味のわるいもののように、鼻の高い、鬢の毛の薄い、その大きな顔や、脛毛の疎らな、色の白い長いその脚などを眺めながら、母親の方へ片寄って、飯を食いはじめた。

母親の口には、まだぶすぶす言う声が絶えなかった。臆病なような白い眼が、おりおりじろりと父親の方へ注がれた。張ったその胸を突き出して、硬い首を据え、東京へ来てからまだ一度も鉄漿をつけたことのないような、歯の汚い口に、音をさせて飯を食っている母親の様子を、よく憎さげに真似してみせた父親の顔に思い合わせて、お庄は厭なような気がした。