Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
三十一
二、三日笹村は、朝の涼しいうちから仕事に取りかかった。前の離房の二室へは、急に下町の商家の内儀らしい、四十前後の女が、息をぬきに来たという風で入って来た。どこか体に悪いところのあるようなその女は、毎日枕を出して臥そべっていた。時々三十ばかりの女が小さい娘をつれて訪ねて来ると、水菓子などを食べて、気楽そうに半日喋舌って遊んで行った。宿の娘から借りた琴が、主人公の方の懈い唄の声につれて掻き鳴らされた。
「騒々しくてしかたがない。」
笹村は給仕している女中に顔を顰めたが、部屋を移ろうともしなかった。
三十一
二つに岐れた経済が持ちきれなくなって、笹村がほどなく下宿を引き払ったのは、谷中の友人の尽力でお銀の体のきまりがようやく着いてからであった。そのころには、甥もその姉婿につれられて、田舎へ帰っていた。
甥はますます悪い方へ傾いていた。夜おそく浅草の方から車夫を引っ張って帰ったり、多勢の仲間をつれ込んで来て、叔父を威嚇するようなこともしかねなかった。同勢は空屋へ寄って来てほしいままに酒を呷ったり、四辺憚らぬ高声で流行唄を謳ったりした。
「どうか漬物を少し。」