Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
五十三
「あなたも来ていて下さいよ。」
お銀は出がけに笹村に言った。
「みんないるからいいじゃないか。」
笹村は呟いたが、やはり見に行かないわけには行かなかった。
外には真夏の目眩しい日が照っていたが、木蔭の多い家のなかは涼しい風が吹き通った。
「くるちい?」
子供は母親の顔を顰めて、いきむたんびに傍へ寄り添って、大人がするように自分の小さい手をかしてやった。そして手で玉のようににじみ出る鼻や額の汗を拭いた。
「おお、何てお悧巧さんでしょう。自分もこうして阿母さんを苦しめた時もあったのにね。」
産婆は泣くような声を出した。
五十三
産れた女の児が、少しずつ皮膚の色が剥げて白くなって来るまでには大分間があった。くしゃくしゃした目鼻立ちも容易に調って来なかった。笹村は見向きもしなかったが、乳房を哺ませているお銀の様子には、前の時よりも母親らしい優しみが加わって来た。
産婆は毎日来ては、湯をつかわせた。笹村も産児がどういう風に変化して行くかを見に行ったが、子供の顔は相変らず顰んでいた。
「何だいこれは……。」
笹村はお七夜の時、産婆の手で白粉や紅をつけられて、目眩しそうな目を細めに開いている赤子を眺めて笑い出した。