Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
二十八
」
「イヤ、別に変りはないようです。」新吉は空を向いていた。
お国はまだ何やら、寝ぼけ声で話しかけたが、後は呻吟くように細い声が聞えて、じきにウトウトと眠りに陥ちてしまう。
新吉は茶を二、三杯飲むと、ツト帳場へ出た。大きな帳面を拡げて、今日の附揚げをしようとしたが、妙に気がイライラして、落ち着かなかった。おそろしい自堕落な女の本性が、初めて見えて来たようにも思われた。
「莫迦にしてやがる。もう明日からお断わりだ。」
二十八
療治が済むと、お国は自分の財布から金をくれて按摩を返した。近所ではもうパタパタ戸が閉るころである。
お国はいつまでも、ぽつねんと火鉢の前に坐っていたが、新吉も十一時過ぎまで帳場にへばり着いていた。
寝支度に取りかかる時、二人はまた不快い顔を合わした。新吉はもう愛想がつきたという顔で、ろくろく口も利かず、蒲団のなかへ潜り込んだ。お国は洋燈を降したり、火を消したり、茶道具を洗ったり、いつもの通り働いていたが、これも気のない顔をしていた。
寝しなに、ランプの火で煙草を喫しながら、気がくさくさするような調子で、「アア、何だか厭になってしまった。