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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

十一

二、三日暴れていた笹村の頭も、その時はもう鎮まりかけていた。自分が女に向ってしていることを静かに考えて見ることも出来た。

十一

母親と顔を突き合わす前に、どうにか体の始末をしようとしていたお銀は、母親が帰って来ても、どうもならずにいた。出て行く支度までして、心細くなってまた考え直すこともあった。この新開町の入口の寺の迹だというところに、田舎の街道にでもありそうな松が、埃を被って立っていた。賑やかなところばかりにいたお銀は、夜その下を通るたびに、歩を迅める癖があったが、ある日暮れ方に、笹村に逐い出されるようにして、そこまで来て彷徨していたこともあった。しかしやはり帰って来ずにはいられなかった。

「失敗ったね。私阿母さんに来ないように一枚葉書を出しておけばよかった。」

母親が帰って来そうな朝、お銀は六畳の寝床の上に蚊帳をはずしかけたまま、ぐッたり坐り込んで思案していた。部屋の隅には疲れたような蚊の鳴き声が聞えた。笹村もその傍に寝転んでいた。

帰って来た母親は、着替えもしずに、笹村の傍へ来て堅苦しく坐りながら挨拶をした。そして田舎の水に中てられて、病気をしたために、帰りの遅くなったいいわけなどをしながら、世のなかにただ一つの力であった一人の弟の死んで行った話などをした。