Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
十
」と、女は傍の方を向きながら、拭巾で火鉢の縁を拭いていた。
「お前はもう十三にもなったもんだで、そのくらいのことは何でもない。」
「少し昵んでからの方がいいでしょうよ。」と、女も気乗りのしない顔をしていた。
お庄はその晩、簪など貰って帰った。
花見ごろには、お庄も学校の隙にここの店番をしながら、袋を結える観世綯りなど綯らされた。
十
品物の出し入れや飾りつけ、値段などを少しずつ覚えることはお庄にとって、さまで苦労な仕事ではなかったが、この女を阿母さんと呼ぶことだけは空々しいようで、どうしても調子が出なかった。それに女は長いあいだの商売で体を悪くしていた。時々頭の調子の変になるようなことがあって、どうかするとおそろしい意地悪なところを見せられた。お庄はこの女の顔色を見ることに慣れて来たが、たまに用足しに外に出されると、家へ帰って行くのが厭でならなかった。
お庄は空腹を抱えながら、公園裏の通りをぶらぶら歩いたり、静かな細い路次のようなところにたたずんで、にじみ出る汗を袂で拭きながら、いつまでもぼんやりしていることがたびたびあった。
慵い体を木蔭のベンチに腰かけて、袂から甘納豆を撮んではそっと食べていると、池の向うの柳の蔭に人影が夢のように動いて、気疎い楽隊や囃の音、騒々しい銅鑼のようなものの響きが、重い濁った空気