Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」病人は自分の母のことばかり心配した。
お庄はその顔を眺めて立っていた。
「お庄ちゃんも、行ったり来たりするんだから、私の雪駄でも出してはいたらどうだね。」病人はくっつけたようにお愛想を言った。「私は癒ればまた買いますわね。」
お庄は隅の方で帯を締め直したり、顔を直したりして、それから出て行った。
田舎の母親が、もう片身分けの見立てでもするように、座敷でいろいろなものを拡げて見ていた。大抵は叔母がこの三、四年に丹精して拵えたものばかりで、ついこの春に裾廻しを取り替えてから、まだ手を通したことのない、淡色の模様の三枚襲などもあった。お庄は嫁に行くとき、この古い方の紋附を叔母から譲ってもらうことになっていたことを思い出した。
樟脳の匂いの芬々するなかで、母親を相手に、老婦はまたお饒舌を始めていた。
やがて母親は済まぬ顔をして、茶の室の方へ出て来た。
「あの人は妙なことを言う人だえ。」母親は白い目をしてお庄に呟いた。
「何でも彼でも、自分の家で拵えてやったようなことばかり言うでね。それもいいけれど、あの紋附を、もうお此さんには派手だで、帰るとき田舎へ持って行ってお花さんに着せるそうだよ。