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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

これからまた一年、毎日毎日お弁当を拵えてやらなけアならないのかと思うと、私うんざりしちまいますよ。」お増は磯野に莨を吸いつけてやりながら、哀れな声で言った。

「今度私磯野さんに芝居を奢って頂きましょう。ねえお庄ちゃんいいでしょう。」お増は帰りがけに、甘い調子で磯野に強請った。

「あの人は芝居がどのくらい好きだか――。」と、お庄は後で磯野に話した。

「芳村さんには煮豆ばかり食べさしておいて、暇さえあると自分は芝居へ行ってるの。」

「ふとすると家の中江に乗り換えようとしているんかも知れないね。若い人から絞るという話もあるぜ。」と、磯野は笑った。

「そうでもしなくちゃ、芝居道楽が出来ないでしょう。」

磯野がお庄の詰めてくれた弁当を持って、朝おそく、学校へ出て行った。

お庄は磯野の出たあとの部屋を自身綺麗に取り片着けながら、磯野の蒲団のうえに坐って、時計のオルゴルを鳴らして見たりした。

お庄は机の抽斗を開けて見た。抽斗からは、コスメチックや香水のような物が出た。写真や手紙なども出た。手紙のなかには磯野がよく行ったことのある小塚から来たらしいのもあった。お庄はそれを読みながら、劇しい耳鳴りを感じた。