Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
この前にも夜天神を散歩している時、お増は浮いた調子で磯野に歌を謳って聞かせたり、暗いところをしな垂れかかるようにして歩いていた。その時は男に媚びることに慣れている厭味なこの女のそうした癖だと思って見て見ぬ振りをしていたが、そうとばかりに澄ましていられなくなった。
「そういうわけじゃないのよお庄ちゃん。」とお増は小さい可愛い手頭に摘んだ巻莨などを喫して、「誘おうと思ったけれど、もう時間も遅かったしきっとお庄ちゃんが先へ来ているだろうと思ったのよ。決して出し抜いたわけじゃないんですから、どうぞ悪しからずね。」
御簾がおりてからも、二人はしばらくそんなことを言い合った。
「まあいいじゃないか。己が悪かったんだから。」と、磯野は制した。
お庄は世間摺れのした年上の女に、そう突っかかって行くことも出来なかった。二人だけのおり、後で磯野に話をすれば筋道の解ることだとも思った。
三人はもう落ち着いて高座へ耳を澄ましてもいられなかった。お庄は始終磯野に話しかけるお増の様子に気を配ることを怠らなかった。お庄を傍につけておいて、時々謎のようなことを言い合っている二人の素振りには、ずうずうしいようなところがあった。