Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
家が急に寂しくなって、三度三度の膳に向う時、妙にそこに坐っているお作の姿が思い出される。お作を毒づいたことや、誹謗したことなどを考えて、いたましいようにも思った。何かの癖に、「手前のような能なしを飼っておくより、猫の子を飼っておく方が、はるかに優だ。」とか、「さっさと出て行ってくれ、そうすれば己も晴々する。」とか言って呶鳴った時の、自分の荒れた感情が浅ましくも思われた。けれど、わざわざお作を見舞ってやる気にもなれなかった。お作から筆の廻らぬ手紙で、東京が恋しいとか、田舎は寂しいとか、体の工合が悪いから来てくれとか言って来るたんびに、舌鼓をして、手紙を丸めて、投り出した。お袋に兄貴、従妹、と多勢一緒に撮った写真を送って来た時、新吉は、「何奴も此奴も百姓面してやがらア。厭になっちまう。」と吐き出すように言って、二タ目とは見なかった。
そのころ小野が結婚して、京橋の岡崎町に間借りをして、小綺麗な生活をしていた。女は伊勢の産れとばかりで、素性が解らなかった。お作よりか、三つも四つも年を喰っていたが様子は若々しかった。
「君の内儀さんは一体何だね。」と新吉は初めてこの女を見てから、小野が訪ねて来た時不思議そうに訊いた。