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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

いかに困ったって、私田舎こそ厭ですよ。そのくらいなら、どこへ行ったって、自分一人くらい何をしたって食べて行きますわ。」

お銀は田舎へ流れ込んで行っている叔父の旧の情婦のことを想い出しながら、どうかすると、檻へ入れられたような、ここの家から放たれて行きたいような心持もしていた。磯谷との間が破れて以来、お銀の心持は、ともすると頽れかかろうとしていた。笹村は荒んだお銀の心持を、優しい愛情で慰めるような男ではなかった。お銀を妻とするについても、女をよい方へ導こうとか、自分の生涯を慮うとかいうような心持は、大して持たなかった。

「私がここを出るにしても、あなたのことなど誰にも言やしませんよ。」

女は別れる前に、ある晩笹村と外で飲食いをした帰りに、暗い草原の小逕を歩きながら言った。女は口に楊枝を啣えて、両手で裾をまくしあげていた。

「田舎へも、しばらくは居所を知らさないでおきましょうよ。」

笹村は叢のなかにしゃがんで、惘れたように女の様子を眺めていた。

「そんなに行き詰っているのかね。」

「だけど、もう何だか面倒くさいんですから……。」女は棄て鉢のような言い方をした。