Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
笹村も一、二度傍へ行って見た。
産気が次第について来た。お銀は充血したような目に涙をためて、顔を顰めながら、笹村のかした手に取り着いていきんだ。そのたんびに顔が真赤に充血して、額から脂汗がにじみ出た。いきみ罷むと、せいせい肩で息をして、術なげに手をもじもじさせていた。そして時々頭を抬げて、当てがわれた金盥にねとねとしたものを吐き出した。宵に食べたものなどもそのまま出た。
九時十時と不安な時が過ぎて行ったが、産婦は産婆に励まされて、いたずらにいきむばかりであった。体の疲れるのが目に見えるようであった。
「ああ苦しい……。」
お銀は硬い母親の手に縋りついて、宙を見つめていた。
「どういうもんだかね。」
十二時過ぎに母親は家の方へ来ると、首を傾げながら笹村に話しかけた。
「難産の方かね。」
火鉢の傍に番をしていた笹村は問いかけた。
「まアあまり軽い方じゃなさそうですね。」
「医者を呼ぶようなことはないだろうか。」
「さあ……産婆がああ言って引き受けているから、間違いはあるまいと思いますけれどね。」
そのうちに笹村は疲れて寝た。
魘されていたような心持で、明朝目のさめたのは、七時ごろであった。