Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
浅黒かった皮膚の色が、蚕児のような蒼白さをもって、じっと目を瞑っている時は、石像のように気高く見えた。髪も短く刈り込まれてあった。先生が睡りに沈んで来ると、衆は次の室へ引き揚げた。来合わせていた某の画家が、そこにあった画仙紙などを拡げて、とぼけた漫画の筆を揮った。先生や皆の似顔なども描かれた。俳句や狂句のようなものも、思い思いに書きつけられた。夜が更けるにつれて、興も深くなって来た。その笑い声が、ふと先生の睡りをさました。
「あーッ。」と長い溜息が、持て余しているような先生の躯から漏れて来た。じろりと皆の顔を見る目のうちにも、包みきれぬ不安があった。
「どれお見せ。」
いらいらしたような先生の顔には、淋しい微笑の影がさして来た。そして自身にも筆を取って、句案に耽った。
夜があけてから、一同はそこを引き揚げた。山の手の町には、柿の葉などが道に落ち散って、生暖かい風に青臭い匂いがあった。
「先生は自覚しているんだろうか。」
「家族の人たちを失望させたくないために、わざとああした態度を取っていられるようにも見えるね。しかし病人の頭は案外暗いからね。」
門を出てからO氏と笹村とはこんな話をしながら行いていた。