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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

六十一

「……厭なもんですね。」

「けど今からでも遅くない。お互いに、こうしていちゃ苦しくてしようがない。」

二人はじっと向い合ってばかりいられなくなった。

六十一

笹村の姿が、また古い長火鉢の傍へ現われた。お銀は笹村が朝飯をすましてから、新聞や捲莨などを当てがっておいて、長いあいだの埃の溜った書斎の方へ箒を入れた。そしてだらしなく取り乱らかされたものを整理したり、手紙を選り分けたりした。赭ちゃけた畳に沁み込むような朝日が窓から差し込んで、鬢の毛にかかる埃が目に見えるほど、冬の空気が澄んでいた。

笹村は落ち着いて新聞すら見ていられなかった。投り出されてあった仕事も気にかかって来たし、打ち釈けるとじきに相談相手にされる生活のことなども、頭に絡わっていた。仕事にかかる前に、どこかで一日気軽に遊びたいような気もしていた。

「今日はどこかへ行こうかな。」

笹村は変った柄の手拭を姉さん冠りにして、床の間を片着けているお銀の後姿を入口から眺めながら呟いた。お銀は亡くなった叔父が道楽をしていた時分に、方々で貰った手拭を幾十本となく箪笥に持っていた。

「行ってらっしゃいよ。」

お銀はばたばたと本にハタキをかけながら言った。