Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
浅井を送り出してから、お増はまた夜の匂いのじめついているような蒲団のなかへ入って、うとうとと夢心地に、何事をか思い占めながら気懈い体を横たえていた。その懈さが骨の髄まで沁み拡がって行きそうであった。障子からさす日の光や、近所の物音――お千代婆さんの話し声などの目や耳に入るのが、おそろしいようであった。
「こんなことをしていちゃ、二人の身のうえにとてもいいことはないね。」
昨夜浅井が床のなかで言ったことなどが思い出された。
「真実だわ。罪だわ。」
お増も、枕の上へ胸からうえを出して、莨を喫いながら呟いた。お増の目には、麹町の家に留守をしている細君の寂しい姿が、ありあり見えるようであった。苦しい心持も、身につまされるようであった。
「いつかはきっと見つかりますよ。見つかったらそれこそ大変ですよ。」
お増の顔には、悪い夢からでもさめかかった人のような、苦悩と不安の色が漂っていた。
「ふふん。」
浅井は鼻で笑っていた。
「こんなことが、あなたいつまで続くと思って? 私だって、夜もおちおち眠られやしないくらいなのよ。第一肩身も狭いし、つくづく厭だと思うわ。あなただって、経済が二つに分れるから、つまらないじゃないの。