Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
色が褪せてから見棄てられるものの悲しさが、胸に湧き起って来た。
「商売をしたものは、どうしたってそれは駄目さ。」
浅井のそう言ったことが、思い出された。
「私も早くどうかしなければ……。」
体の弱い自分の計をしなければならぬということが、いつになく深くお増の心に考えられた。それからそれへと移って行くらしい、男の浮気だということも、思わないわけに行かなかった。いつ棄てられても、困らないことにさえしておけば、欲に繋がる男心の弱味をいつでも掴んでいられそうに思えた。お増は自分の心の底に流れている冷たいあるものを、感ぜずにはいられなかった。
「あの人の神さんなぞは、私に言わせれば莫迦さ。」
お増はそうも思った。勝利者のような誇りすら感ぜられるのであった。
晴れ晴れした顔をして湯から帰って来た浅井は、昨宵の食べ物の残りなどで、朝食をすますと、じきに支度をして出て行った。お増は男を送り出すときいつでも経験する厭な心持を紛らそうとして、お千代婆さんの家を訪ねた。
「へえ、それでもよく飽きもせずに、三日も四日も、寝てばかりいられたものだね。」
そう言っていそうなお千代婆さんの目の色が、嶮しかった。