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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「そうも行かんよ。女はそればかりでもいけない。むしろそんな伎倆のない方が、私にはいいんだ。」

そう言って浅井は笑っていた。

昼間お増は、その家の前を通って見たりなどした。ふと八百屋の店先などに立っている細君の姿を見たこともあった。細君は顔の丸い、目元や口元の愛くるしい子供を、手かけで負いなどしていた。お増は急いで、その前を通り過ぎた。

冬になると、浅井の足が一層家の方へ遠ざかった。たまに細君や子供の様子を見に帰っても、一ト晩とそこに落ち着いていられなかった。ヒステレーの嵩じかかって来た細君は、浅井の顔を見ると、いきなりその胸倉に飛びついたり、瀬戸物を畳に叩きつけたりした。浅井は蒼い顔をして貴重な書類などを入れた鞄をさげて、お増の方へ逃げて来た。

「こら、どうだ。」

浅井は胸紐の乳を引き断られた羽織を、そこへ脱ぎ棄てて、がっかりしたように火鉢の前に坐った。

十五

一週間の余も、うっちゃっておいた本宅の方へ、浅井はある日の午後、ふと顔を出してみた。そこへ来ているはずの手紙も見たかったし、絶望的な細君に対する不安や憐愍の情も、少しずつ忿怒の消え失せた彼の胸に沁みひろがって来た。