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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

振り顧られたり、兄や母親たちと一緒に、田舎に暮しているお柳の身のうえが、哀れまれたりした。

「こんなところに一生暮したら、どんなにいいでしょう。」

お増は涙含んだような目色をして、良人に呟いた。

子供の時分、二、三度遊びに行ったことのある、叔父の住まっている静かな山寺のさまが、なつかしく目に浮んだりした。

「あなたに棄てられたら、私あすこへ行って、一生暮しますよ。」

気を紛らすもののない山の生活が、孤独のたよりなさと、生活のはかなさとに、お増の心を引き入れて行った。

「何といったって、自分の家が一番いいのね。」

お増は、お今などに世話をしてもらった風呂から上ると、ばさばさした浴衣姿で、縁側の岐阜提灯の灯影に、団扇づかいをしながらせいせいしたような顔をしていた。

簾を捲きあげた軒端から見える空には、淡い雲の影が遠く動いていた。星の光も水々していた。

濡れた髪に綺麗に櫛を入れて、浅井の坐っているお膳のうえには、お今が拵えた料理が二、三品並んでいた。浅井は、この夏期の講習で、大分料理の品目の多くなったらしいお今の手際を、物珍しそうに眺めながら、もうちびちび酒を始めていた。