Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
お増はそれと前後して、浅井からも謝罪めいた懺悔を聞いたのであったが、二人のなかは、やはりそれきりでは済まなかった。
「どうしたの。私に残らず話してごらんなさいよ。」
お増は落ち着いた調子で、お今を詰ったが、お今は黙って、うつむいているきりであった。目が涙に曇んでいた。
「……それじゃお今ちゃん、あんまりひどいじゃないの。」
お増は、とうとうそんなことをされるようになった自分がいじらしいようであった。嫉ましさに、掻きってもやりたいようなお今に、しゃぶりついて泣きたいような気もしたのであったが、やはり自分を取り乱すことが出来なかった。
後悔と慚愧とに冷めていた二人の心が、また惹き着けられて行った。家でも寝るときの浅井の姿の、側にいないことが、時々夜更けに目のさめるお増の神経を、一時に苛立たせるのであった。淋しい有明けの電燈の影に、お増は惨酷な甘い幻想に、苦しい心を戦かせながら、時のたつのを、じっと平気らしく待っていなければならないのであった。
「はやくお今を引き離そう。」
お増はじれじれと、そんなことを思い窮めるのであったが、その手段がやはり考えつかなかった。