Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「今年も来年も年廻りがわるいから、明後年にでもなったら、療治をしましょうよ。」
しみじみした話に、時が移って行った。
このごろ色稼業を止めて、溜めた金で、芝の方に化粧品屋を出した女のところからの帰りがけなどに、ふと独りでお今の二階へ寄って、疲れた体を休めて行くことなどがあった。お今は押入れから掻捲きなどを出して来て、横になっている浅井にそっと被せかけなどした。
花で夜更しをして、今朝また飲んだ朝酒の酔いのさめかかって来た浅井は、爛れたような肉の戦くような薄寒さに、目がさめた。綺麗にお化粧をして、羽織などを着替えたお今が、そこに枕頭の火鉢の前にぽつねんと坐っていた。
お今のいれてくれた茶に、熱った咽喉や胃の腑を潤しながら、浅井は何事もなさそうな顔をして、日の迫って来たお今の婚礼の話などをしていた。
五十六
埃っぽい窓の障子に、三時ごろの冬の日影が力なげに薄らいで来たころに、浅井はやっとそこを脱け出したが、遊びに耽り疲れた神経に、明るい外の光や騒がしい空風がおそろしいようであった。先刻まで被ていた掻捲きなどの、そのままそこに束ねられた部屋の空気も、厭わしく思えて来た。