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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

四

東京じゃ、これで坪二十円もしますら。」

晩方には、もうそこへ移るような手続きが出来てしまった。

下宿からは、さしあたり必要な古火鉢や茶呑み茶碗、雑巾のような物が運ばれ、父親は通りからランプや油壺、七輪のような物を、一つ一つ買っては提げ込んで来た。母親は木の香の新しい台所へ出て、ゴシゴシ働いていた。

その間お庄は、乳呑み児を背に縛りつけられて、下宿と引っ越し先との間を、幾度となく通っていた。

四

点燈ごろにそこらがようよう一片着き片着いた。

広い田舎家の奥に閉じ籠って、あまり外へ出たことのない母親は、近所の女房連の集まっている井戸端へ出て行くのが、何より厭であった。子供たちも行き詰った家のなかを、そっちこっちうろつきながら、何にもない台所へ出て来ては水口のところにぴったりくっついて、暮れて行く路次を眺めていた。お庄は出たり入ったりして、そこらの門口にいる娘たちの頭髪や身装を遠くからじろじろ見ていた。

父親は買立てのバケツを提げて、水を汲みに行ったり、大きな躯で七輪の前にしゃがんで、煮物の加減を見たりした。

「こんな流しは私ア初めて見た。東京には田舎のような上流しはありましねえかね。