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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

「あら、そう」

急に、彼の大小を見て、芸妓たちは、黙り合った。露八は、自分のために、この行楽を白けさせては、悪いと思った。

「何か、唄いましょう」

お喜代が、云い出したので、露八が、三味線をもち、芸妓が唄った。また、芸妓の三味線で、露八がしぶい声で荻江節を唄った。

「旦那もひとつ」

「さ、何をやろうね」

斧四郎は、お喜代へ相談した。そして、八幡鐘を唄った。

「ご馳走さま――。お喜代さんのお仕込みですとさ」

芸妓たちは、冗談と嫉妬を、巧みに交ぜて、二人を揶揄った。まったく、斧四郎はお喜代を大事にしているし、お喜代は、斧四郎に、心から素直に侍いていて、傍目にも、濃やかな愛情が見える。

露八は、心のうちで悶えた。時々、淋しそうに、ぽかんとした。芸妓たちは、馴れてくると、露八の膝にもたれたり、大きな杯で、酒を強いた。

露八は、したたかに酔った。斧四郎も飲ける口とみえて夕焼けのように晴々と赤い顔していた。そして、お喜代の膝を枕に、寝そべった。

「お菊、笛を吹け」

斧四郎が云うと、皆も、

「お菊ちゃんの笛は、しばらく聞かない。ぜひ聞かして下さいな」

強請まれて、お菊は、帯に挿している笛嚢を抜いた。