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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

萩の世帯

一

クウッ、クッ、と全身を総毛立てて金色の眸が竦み合った。人間どもの眼は、鶏よりも鋭かった。汗も拭かないで、みつめていた。

庄次郎は、どたどたっとそこへ駈け降りて行った。十手を振り上げて、

「御用ッ――」

いきなり、呶鳴った。

「あっ」

逃げる! 転ぶ! 総立ちだ、その上に、軍鶏が飛ぶ、その中に、軍鶏が駈ける。

庄次郎は、夢中で、金を掻き集めた。ビタ銭も土も小判も一緒くたに財布に入れ、袂に入れた。そしておかしさに、腹をかかえて笑った。

萩の世帯

一

眼ッかちの久六だの、禿安という長脇差だの、蟇の刺青だの、五人ほどの闘鶏師が、

「どうしてくれる」

と、土肥家の玄関へ来て、坐り込んだ。

「よくも、お上の声を騙って、賭場銭を攫やがったな。大盗ッ人めっ」

禿安が、喚くと、

「ここの息子にちげえねえ。あの、丸ッこい野郎を出せっ」

眼ッかちが、尻を捲って、口ぎたなく罵った。

蒼くなって、中間が、奥へ告げると、八十三郎は提げ刀で、つかつか出て来た。

五つの頭を、上から睨めつけて、

「強請に来たかっ」

「何だと」

久六は、股をたたいて、

「強請たあなんだ。うぬの屋敷こそ、一ツ橋家の近習番とか、なんとか、世間ていはいいが、大騙りの盗ッ人武士だっ」