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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

蚊帳坐禅

一

半蔵は、親の一分が立たないように、冗談へ、むきになった。

「ばかを云わッしゃい。わしの平常の倹約は、こういう場合に費うためじゃ。奢らいでか。ぜひ、縁者どもをよんで、庄次郎が免許皆伝の披露をしよう。日は、いつにするの」

「はやいがよい」

「では、明日にも」

大乗り気である。

蚊帳坐禅

一

客の頭数やら、手伝いの者やら、二人は即座にとり決めた。

その後で、思い出したように、半蔵が、不意に云った。

「忘れていたわい、庄次郎、そちも何としたことだ」

「は?」

「は、じゃない、昨日、入江先生より頂戴して参った免許の目録やら皆伝の巻があろう。なぜ、叔父御に、お見せ申さぬ。父にも見せい」

「は」

「どこへ置いた。――重助、重助っ」

「あ、ちょっと、お待ちください。重助には、わかりません」

「では、持ってこい」

「は」

「何を猶予いたしておる」

「ええと? ……」

頭をかかえて、考えを絞るように、

「暫時……暫時、お待ちを」

何か、まごまごしながら、立って行く庄次郎の牛みたいな鈍重さを振り向いて、

「いいところがある」

鉄之丞が、惚れこむと、

「ははは、左様かな」

「晩成ものじゃ、大器という人物は、ああでなくては」