Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

丹波栗

一

「それはいいじゃないか」

伊藤俊輔が云う。

「そういう人材が、便乗しているのに、欠伸をさせておく法はない。刻下、天下の時局は、どんな人材でも払底を告げている際だ。早速、余興係りを命じては――」

というようなことから、露八は、三条実美や東久世通禧の前へ、ひっぱり出された。

天神様と、浅葱裏のお客様だ。露八は、そう見くびって、やれといわれるものを、何でも演ってのけた。

かっぽれ、一人万歳、博多のどんたく、仁王の真似、やねぶねの提灯。

「なるほど、人材じゃ」

大山格之助は、あきれていた。

三条公以下の五卿も、あごをはずして、笑っていた。そして、

「兵士にも、うまい芸人がおるものよのう」

感嘆を久しゅうする。

五卿が、露八を、何藩かの兵士とみたのも無理ではないのであった。供奉員が、露八の身装を見て、それでは不敬にあたるというので、兵隊服のだんぶくろを着せて出したからである。

春日丸が安治川に着いたのは、十二月二十六日だった。三軒家や四貫島や、天保山のあたりは、見物がたいへんだった。葭だか人間だかわからないほど両岸に市民が立っている。艦上には、三藩の兵が、捧げ銃をして、五卿は烏帽子直垂で立っていた。